二年生時 : (メインになるお話)
01 それともこれはある種の因果なのか。
02 いつだってうるさいくらいに騒がしい人たちの中にいた事だってあったし。
03 穏やかな、それでいて威厳さえも含まれた声。
04 そうこなくっちゃ、面白くないわ。
05 「それは、本当に最高の人材を見つけたものだね」
06 但し、それは彼の近くに居ることを許された人間のみだけれど。
07 私はとても恵まれている。だって一人じゃないもの。
08 彼女は確実に、少しずつだけど私たちに近づいてきている。
09 「もっと情に脆い子を誘っては如何ですか?」
10 にっこりと笑顔で二人へ告げるそれは厳重なる忠告。
11 情に流されるなんて最もあってはいけないこと。
12 ほんの一瞬感じた違和感には、気付けずに。
13 変わらないから、そこにはきっと意味があるのよね。
14 ああ、やだ。性格までどこか似てないこの先輩。
15 でも、そうやってあの先輩方は一つしか違わない私達を可愛がってくれていた。
16 あの部だけはこの学校において特殊。
17 「君は本当に伊作くんから可愛がられているようだ」